尾鈴の雄大な山なみと耳川、自然の恵みに囲まれた宮崎県日向市東郷町。
歌人・若山牧水生誕の地で、地域の方々と想いが一つになり生まれた蔵があります。
「出会い」を大切にし、手間暇かけた焼酎づくりが続けられています。
ドラムタンクや蒸留機など、初代の杜氏さんが設計し建築会社さんに製造を依頼した「あくがれ蒸留所オリジナル」の機材設備の数々は圧巻。
芋焼酎をはじめ、麦・ひえ・粟・きび・大豆など体に良い穀物を使用した焼酎を醸造されています。
最大500kgのお米が入れられる米蒸し器。
満杯に入れると麹のつき方等にムラが出るので、毎回約400kgを蒸しています。ドラム下の穴から麹を作る三角棚が繋がっており、蒸し終わったらそのまま下へ落ちる仕組みになっています。
麹を作る三角棚。
金網の敷布を敷いて、シュート式で上から落ちてきたお米を入れます。上下から風を送り込み、効率よく循環させる仕組みになっていて、こちらも初代杜氏さんが考案したオリジナルの設備だそう。
一次仕込み用の甕。
3日目にようやく甕に仕込まれます。気候や醪(もろみ)の温度によって調整され、基本的に2名体制で作業されています。1回の仕込みで2甕分しか作れません。少量ずつ丁寧に、丁寧に仕込んでいきます。
原料の芋の加工場
1日2tの芋が洗浄後、カットされていきます。8人で約1時間〜1時間半くらいかけて作業を行います。中には70歳・80歳のカットのプロもいらっしゃるそうです!
蒸し器
外の運搬用のコンベアからゴロゴロと芋が流されてきます。蒸し器の中で蒸された芋は、水と一次仕込みの醪を混ぜ合わせながら粉砕され、二次仕込みのタンクの中へポンプで流し入れる仕組みになっています。基本的に仕込みの時期は10月〜12月頭くらいだそうです。
あくがれ蒸留所の焼酎は、全て打栓機(だせんき)を使って一つ一つ丁寧に締められていきます。多い時で5、6人で作業され、720mlであれば、パレット2つ分が約1日半くらいかかるそう。大変な作業ですが、こだわりと情熱の詰まった焼酎づくりの総仕上げの音が、今日も響いています。
二次仕込みのタンク。
朝、昼、夕方に手作業で行われます。繁忙期には体重が5kgくらい減るほどの重労働だそうです。取材スタッフが体験したところ本当に重く、相当な重労働だということが伺えました。最大容量はなんと、6,000リットル!
常圧蒸留と減圧蒸留の両方ができる蒸留機。 (写真右:コック調整部分)
通常の蒸留機は減圧蒸留が始まるとふたを開けて味見等はできませんが、こちらの蒸留機にはコックが付いていてサンプリングなどができる仕組みになっているんです!上に空気が入るように特別に設計されていて、コックで空気の通りを調整しておけば大丈夫だそう。こちらも他にはないあくがれ蒸留所完全オリジナルの設備です!初代杜氏のこだわりと試行錯誤した姿が垣間見れますね。
試飲もできる販売コーナー。
数種の穀物を原料とした銘柄もあり、初心者向けの14度のものから、焼酎通にもうれしい28度の商品も揃えられています。
蔵の近くを流れる清流・耳川。
緑の山並みを縫うように流れる耳川は、透明度の高い水質で名高い川です。
この耳川の伏流水を仕込み水として使用することで、東郷町の風土が息づくような素晴らしい焼酎ができあがります。
国産米をもとに白麹と平成宮崎酵母、厳選されたコガネセンガンで仕込まれた常圧蒸留の焼酎です。丁寧に醸されたこの焼酎は、すっきり飲みやすい14度で女性や芋焼酎が初めての方に大人気!
オススメの飲み方はロックで。芋の爽やかな風味を楽しめます。
『日向あくがれ14°』の売上げの一部は海の環境保護活動に寄付されています。
本格的な日本料理を、気兼ねなく楽しめるカジュアル割烹のお店。カウンターには日本酒・焼酎などの瓶がずらり。太平洋獲れの新鮮な天然魚や、全国的にも有名な宮崎牛など、季節に合わせて選び抜かれた食材を堪能できるお店です。