宮崎県の西端に位置し、県内唯一の温泉郷を持つえびの市。
“高原と水郷のくに”と呼ばれ、太陽と土と水に恵まれた米どころです。
明治24年創業、125年の歴史を持つ明石酒造さまは、
地元の特産品である米を生かした焼酎づくりでも知られます。
随時見学も受け付けているという明石酒造さまでは、工場内の一部が見学フロアの様になっていて、初心者にも分かりやすい解説パネルが並んでいました。
8月中旬から12月中旬の生芋が取れる時期が焼酎の仕込み時期にあたり、3月から4月は米焼酎の仕込みを行っています。
度数を落とす直前の原酒のタンク。
少しずつ味を見ながら、去年と一昨年作られた原酒をブレンドするそうです。
それぞれ3万〜5万リットルずつ入っているとのこと。
去年つくったものが半分くらい入っているというこちらのタンクは容量20万リットル!
一度の仕込みで一升瓶4200~4300本くらいができるとか。タンクが満タンになることはなかなかないそうです。
焼酎用タンク。1つのタンクに1週間分の焼酎が入るそうです。タンクによって貯蔵の状態が変わり、味や香り等も変わってきます。
仕込みの期間も見学が可能になっているというフロアにはタンクの蓋がパネルになっている工程説明資料。写真が沢山使われていて、初めて焼酎工場に来た人にも分かりやすく説明されています。
仕込みのない時期に伺ったので、近くでゆっくり見学することができました。
今は動いていないお芋を運ぶ長いレーンは、以前の焼酎ブームの際に使用していたものだそう。
次の焼酎ブームにまたまた大活躍してくれるはず・・・!
芋を選別する機械。
レーンを流れてくるお芋を手作業で選別しながらカットします。1回の仕込みで使用する芋はなんと8t分!
奥にある2台の蒸し機で4tずつ蒸されます。
熟成甕ごしに窓から見えるのはどこまでも広がる田畑。
この地に工場がある焼酎が、いかに豊かな自然に育まれているかがうかがえます。
製麹(せいきく)。横長のドラム缶型をした機械で蒸したお米に種麹菌を加えて発酵させ、(1回に)2日間かけて米麹をつくります。
湿度、温度の管理と雑菌を防ぐため、扉のついたBOXになっています。この機械で蒸すのはタイ産のお米だそうです。
製麹中の温度調整をするための機械。
この中に水をため、そこから製麹機に蒸気や冷たい風を送ります。
まるで戦艦の様な迫力の連続蒸し器。国産米を蒸すために使用。
国産米は水分調整が難しいので、タイ米とは別に蒸します。洗って水分を切り、水を吸わせたお米を下からの蒸気で蒸します。
連続蒸し器の上を通る巨大なパイプ。
ここから蒸した蒸気を逃がします。
気圧を下げて使用する減圧蒸留機。米焼酎は減圧蒸留で作られており、パイプの長さで味が変わってくるそうです。
焼酎『明月』は芋焼酎と米焼酎をブレンドして作られます。
20年以上前から使用されているという貯蔵タンク。こちらは冷やしてから1週間くらいの焼酎。油分が浮いてきています。
タンクの周りは発砲スチロールでできています。
宮崎市内でも数軒の酒店でしか販売されていない特別限定焼酎。
社員で田植えをするという自社栽培のお米を麹米に使った焼酎など、2種類の本格芋焼酎と国産米で造った米焼酎をブレンド。フルーティな香りと口当たりやさしく柔らかで上品な飲み口です。
明石酒造さんの銘柄を豊富に取り揃えているおしゃべり居酒屋。それぞれの銘柄にあうお料理と飲み方をおすすめしてもらえます。