2016.10.26
「香り・味・余韻」焼酎に求めるもの。
情熱的で探求家。この方が造った焼酎は、宮崎のどの場所で造っても、この当主の色を彩るのではないだろうか。
明治35年創業。宮崎県の南西端に位置する都城市で、一番古い焼酎の蔵を持つ柳田酒造。
某有名雑誌に取り上げられた際、そのこだわった探求心から「焼酎界のエジソン」とあだ名がついた程の当主・柳田 正氏。多くの杜氏が東京農業大学醸造科へ進学する中、他大学へ進学。エンジニアのスキルを身に付けます。実際に、卒業後はエンジニアとして東京で就職しますが、途中、家業を継ぐ為都城に戻ります。この肩書からも、“一風他とは違う感性が伺える”そんな柳田さん。
幼少期から、ポケットにはドライバーを忍ばせ興味あるものを次々と解体しては、お父様に𠮟られていたそうです。大人になって解体した大物は、なんとユニットバスでした。
今まで薪で炊いていたお風呂をリフォームした際、入浴しながらふと感じたこと。
「なぜ均等にお湯が交ざるのか?対流はどうなっているのか?」
心が浮き立つ「何故?」に出逢うと、その探求心を止められない。解体し、その対流を生み出す仕組みを発見し、蒸留釜に取り入れたそうです。今まで蒸留釜では、温度のムラがでていた。しかし、この発見で取り入れた方法で、温度ムラがなくなったそうです。「お風呂も元に戻しましたよ!」と柳田さん。蔵を見学した際にも、機械の色々な部分に「柳田正・作」を見つけることができました。
ボトルに描かれているデザインも、“柳田さんらしさ”を感じました。
ブルーのボトルは「宮崎の夏」「白と青を使う」「文字を使わない」そんなお題を出し作られたもの。焼酎のボトルに「女の子」を描いたものは、今まで見たことがありません。今では多くのブルーボトルを見かけますが、柳田さんらが作ったものが日本で初の試みでした。
先代が命名した銘柄は・・・
「千本櫻」は明治初期に母智丘公園に植えられた2600本もの桜の姿から。
「赤鹿毛」は、「都井岬の馬」「太平洋」をイメージに。
「駒」は「馬ならば日向の駒」と、宮崎の騎馬隊から生まれた名前。
なんとも情景的な命名は、宮崎を想う強さに感じます。
情熱家で探求家。そして、宮崎想い。先代から、受け継がれているのですね。
今回の取材は、なんと4時間!柳田さんの焼酎にかける情熱は、止まることを知りません!きっと、この先もこの想いで素晴らしい焼酎を生み出されていくのでしょうね。4時間後は、正座姿で!!
『良い食べ物で身体を作り、善い言葉で心をつくる。』
想いもまた、綺麗になる秘訣!!